Basic Design Note

文字を扱う上で知っておきたい基礎知識

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TV、新聞、看板、ポスター、メールなど、毎日目にする「文字」。日常生活の中で最も利用する事が多く、コミュニケーションの要(かなめ)となる「文字」について書いていきます。書く量がとても多くなるので「全3回」に分けて書いて行こうと思います。今回のテーマは「文字について知る」です。

■文字の事を少しだけ詳しく知る事からはじめましょう。

どこを見渡しても目に付く文字。私達はこの文字の事をどれだけ知っているでしょうか。案外知ったつもりになっていることが多いかも知れません。まずは、この「文字」というものを、キチンと知る事から始めて見たいと思います。

[1.]そもそも「文字」とはなにか?

まずは、以下の引用を見て「文字」そのものを知る事からはじめましょう。

文字(もじ)とは、言葉(言語)を伝達し記録するために線や点を使って形作られた記号のこと。文字の起源は、多くの場合ものごとを簡略化して描いた絵文字(ピクトグラム)であり、それが転用されたり変形、簡略化されたりして文字となったと見られる。 文字 – Wikipedia

引用にもある通り、文字は「絵文字(ピクトグラム)」を起源とした「記号」なのですね。それが時間とともに「書きやすさ」や「読みやすさ」が整っていき、現在の形に至りました。また、文字を扱う上で必要な「文法」も生まれ、文字を組み合わせて「文章」を作ることで、より情報が具体的に伝えられる様になっていきました。

文字の形の変化については、私達にとって身近な「漢字の成り立ち」なんかを調べると、その様子がよくわかるのではないでしょうか。

[2.]文字の役割りとは?

次に、「文字の役割り」について考えてみましょう。引用にもあるように、文字には「2つの大きな役割り」があります。それが、以下の2つです。

文字には「2つの大きな役割り」があります。

人は会話をします。当然会話をすれば情報の伝達は可能です。しかし、この時の言葉は「声」として発せられるので、形として見ることもできなければ、記録しておくこともできません。話をした事は覚えていても、詳細な一語一句までは、なかなか覚えられないですよね。毎回録音する訳にも行きませんし・・・。

そういった言葉を「文字」を使って伝達したなら、伝えたい事を「具体的な形」として相手に見せる事ができます。さらに、書いた文字を多くの人が見れば、同じ情報を見た人に均一に伝える事もできますね。

また、文字は「読む」事もできるので、書いたことを改めて「声」として発して、「視覚と聴覚」の両方で情報を伝える事もできます。

次に「記録」という役割りがあります。例えば、去年一年間の自分の出来事を、細かく記憶している人ってどれくらい居るでしょうか?覚えていたとしても、断片的になってる事がほとんどだと思います。そんな時「日記」をつけて記録していたりすると、読み返せばその時の事を思い出す事ができますね。

この2つの役割りがあるからこそ、現在も「コミュニケーションの要」として、文字は利用されているんですね。それに「情報の伝達」という部分において、文字はグラフィックデザインやWEBデザインの分野に欠かす事のできない「情報の表現要素」であることも忘れてはいけませんね。

[3.]日本語で使う文字の種類は3+1

私たち日本人が主に使う言語は「日本語」です。日本語では「3種類の文字」を使っています。まずは「漢字」ですね。それから「ひらがな」と「カタカナ」の2つ。それと、タイトルの+1にあたるのが「アルファベット」です。

厳密に言うと「アルファベット」は欧文で利用される文字なので、日本語を表現する為に作られた文字では無いのですが、日常的に英語(英文・英単語)やローマ字などを使う事があるので、使用頻度は高いと言えます。

それぞれの「文字」についての簡単な解説

このように、日本語では扱う文字の種類が「多い」という事もわかります。こういった理由から、日本語の文字表現では、4種類の文字を使いこなしていく必要があるんですね。

■書体とフォントの違い

制作現場でよく「書体」や「フォント」という言葉を使うことがありますが、この2つ、実は指している内容が少し違います。なにげに使っていると混同しがちですが、改めてその「違い」を知っておきましょう。

書体とは?

統一されたデザイン(骨格・エレメント・字面(じづら))を持つ文字の集まりの事を指しています。また、デザインされた文字は必ず「ボディ(仮想ボディ)」と呼ばれる「枠」に収められています。(詳しくは後述します。)

和文(日本語)書体には「漢字・ひらがな・カタカナ・数字・記号」が、欧文書体には「アルファベット・数字・記号」が一つの書体に含まれています。

フォントとは?

DTPやWEB制作の現場で、書体をモニターで表示したり、印刷に利用できる「書体データ」にしたものを指しています。元々は書体もフォントも「サイズ・デザインの同じ文字の集まり」の事を指していましたが、現在は「書体データ」を指す場合が多いです。

フォントの主なデータ形式として、「PostScript(ポストスクリプト)」「TureType(トゥルータイプ)」「OpenType(オープンタイプ)」の3つの形式の名前をよく聞きますね。

■和文書体と欧文書体それぞれの特徴を知る。

日本語では合計「4つ」の文字を使います。それらは大きく分けて「和文書体」と「欧文書体」の2種類に分けられます。

和文書体と欧文書体の2種類に分けると・・・

日頃私達は、この2つの書体を利用しているのですが、日本語を表現する為の「和文書体」と、英語を始めとした言語を表現する「欧文書体」では、文字としての成り立ちに「違う部分が多い」という事を知っておく必要があります。

この項目では、その2つの書体の「特徴」を改めて見てみようと思います。

[1.]和文書体のデザイン要素

上の項目でも触れていますが、和文書体は「ボディ(仮想ボディ)・字面・エレメント・骨格」の4つの要素を用いて形成されています。これらの要素を一つづつ見てみましょう。

和文書体の構成要素についての解説

[2.]和文書体の知っておくべき「特徴」

和文書体を扱う上で、知っておくべき事をいくつか挙げてみました。この部分の内容は「2回目」以降の内容にも関わる部分なので、覚えておいて欲しい事です。

・ボディ(仮想ボディ)と字面(じづら)の関係。

書体を形成する2つの「枠」。和文書体には必ずこの2つの「枠」が存在するのですが、何故2つも枠を取る必要があるのでしょうか?

その理由は、2つの枠があることで「文字の読みやすさを保つ」事ができるようになるからです。

まず外側にある「ボディ」が文字一つ分の領域を確保します。その内側にある「字面」の中に文字があるので、ボディと字面の間には「一定の空間」が生まれます。この「一定の空間」がある為に、文字同士を隣り合わせにしてもくっつく事が無く「読みやすさを保てる」訳です。

ボディ(仮想ボディ)と字面(じづら)の関係。

この時に生まれる文字同士の空間を「字間(じかん)」と呼びます。

・同じ書体でも、字面は字種ごとに「大きさ」が変わる。

「漢字・ひらがな・カタカナ・アルファベット」を同じ文字サイズで入力しても、「字種ごとで文字の大きさに違いがある」事を知っておきましょう。

これは、書体をデザインする際に「漢字」の大きさを基準にして、ひらがな・カタカナ、アルファベットとそれぞれの字面のサイズを「小さく」設定して作るのが一般的であるからと言われています。
※ただし、書体によっては漢字とかな(ひらがな・カタカナ)のサイズの差がほとんど無い書体もあります。(モリサワの「新ゴ」など。)

字種毎に変わる文字のサイズ
・文字の組み方で変わる「ベースライン」の位置

日本語は「横組み(左から右)」と「縦組み(上から下)」の2種類の文字の組み方があります。文字を組む際の基準線になるのが、「ベースライン」です。このベースラインは目に見える線として表現されている訳ではありませんが、それぞれの文字組みの方向によって「位置」が変わります。

文字の組み方で変わる「ベースライン」の位置

縦組みの場合は、ボディの中心線が基準なので異なる書体で文字を組んだとしても、ベースラインの位置が大きく変わる事は無いのですが、横組みの場合は、字面のサイズや書体デザインによってベースラインの位置が変わる事があるので、気をつける必要があります。

[2.]欧文書体の知っておくべき「特徴」

欧文書体には、和文書体と違った特徴があります。ここでも幾つかの特徴を挙げておきます。

・基準線が「複数」存在する。

欧文書体の一番の特徴として「複数の基準線」が存在する事が挙げられます。アルファベットには「大文字と小文字」があり、それぞれ「高さが異なります」。それら、高さの異なる文字をキレイに横に並べる為には、複数の基準線が必要になったのですね。

欧文書体の基準線
・文字ごとで「幅が異なる」ボディを持っている。

欧文書体のボディは、同じ幅で設定されておらず「文字ごとにボディの幅が異なる」という特徴を持っています。

ここで一つ疑問に思うことは、和文書体の場合は共通のボディと字面を持っているのに対して、欧文書体では「何故、文字ごとに幅が異なるのか?」という部分ですよね。このボディ幅が変わる理由は、欧文書体の横幅の設定方法が和文書体と異なるからなんです。

・欧文書体は「セット幅」がボディの横幅を決めている。
欧文書体の「セット幅」

欧文書体のセットとは「文字の横幅」の事を指しています。欧文書体の場合、この「セット」は文字ごとに異なるサイズで設定されていますので、文字が変われば「横幅」も変わります。

「セット」と合わせて覚えておいて欲しいのが、「サイドベアリング」という言葉です。これは文字の左右それぞれに設定している「余白」の事です。(和文の「ボディと字面の間の空間」と同じですね。)

この「セット」と「サイドベアリング」を含んだ横幅を「セット幅」と呼び、これを「欧文書体の一文字分の横幅」としているんです。欧文書体のボディ幅が文字ごとに異なる理由は、こういった所にあったんですね。

■今回のまとめ

  • 文字は絵文字を起源とし、線や点を使って作られた「記号」。
  • その役割りは、言葉を「伝達・記録する為」にある。
  • 日本語で使用する文字は「4種類」ある。
  • 書体とフォントは指す意味が少し違う。
  • 和文書体と欧文書体では文字としての成り立ちに「違い」がある。

今回は「文字について知る」がテーマでしたので、文字に関しての「そもそもの話」から「書体の構成」についてを書いて行きました。こうやってまとめ直すと、案外知らなかった事や、知っておかないといけない事もたくさんあるものだと改めて思いましたね。
(ホントはまだまだ知っておかないといけない事もあるんでしょうが、今回はこのくらいで。)

後半部分の「和文書体と欧文書体それぞれの特徴を知る。」の内容については、次回以降に書いていく事に紐付く情報を書いていますので、覚えておいていただけると、次回の内容がわかりやすくなるのでは無いかと思います。

次回のテーマは「読みやすさ」です。

文字の役割りとして「言葉を(正確に)伝達する事。」という事が挙げられています。その為には、形としての「文字」をどう扱えば「読みやすく伝えられるようになるか?」という部分の、技術的なお話が出来ればと考えています。

僕自身もこの部分については未熟なところが多いので、記事を通じて、みなさんと共に勉強できればいいなと思っています。

■参考図書のご紹介

タイポグラフィの基本ルール-プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック- (デザインラボ)

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今回の記事を書くにあたっては、こちらの書籍を参考にさせていただいています。とても有名な書籍なので、お持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、文字に関する基礎知識がわかりやすく記載されていて読みやすいです。

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