Basic Design Note

ナレッジノート vol.1 詳細レポート

Categories|News, デザイン tags| ,
ナレッジノートvol.1の振り返り

随分と遅くなってしまいましたが、9/27に開催した「ナレッジノート vol.1 “ピクトグラム”をデザインする」の当日レポートをまとめました。少しでも多くの方に当日の様子が伝われば幸いです。

■ワークショップ制作課題の詳細設定

はじめに当日の様子を振り返るにあたって、制作課題の詳細についてお知らせしておきますね。(このワークショップの詳細については、前回の記事「デザイナー向けワークショップ開催のお知らせ」をご覧いただければと思います。)

課題は事前に発表していたとおり「トイレのピクトグラム」の制作です。あわせて、制作のルールについても発表していましたが、ピクトグラムの「詳細設定」は当日に発表しています。その内容が以下です。

ピクトグラムの設定事項

ピクトグラムの設定事項の補足

当日発表した設定は「具体的な施設」と「想定される利用者の年齢」です。「トイレのピクトグラム」なので、役割りは施設に関係なく「トイレを案内すること」で間違いありませんが、想定している施設ごとで「利用者の年齢」に微妙な違いがあります。この他、ピクトグラムには「文字を入れないこと」と「色分けは可能」という設定も追加しています。

この設定では「利用者の年齢層が非常に広く、利用施設も様々」なところが特徴です。これらの情報を基にして、細かな部分については各チームで考えて決めていただこうと思い、このように決めていました。

…とは言っても、利用者や想定施設の幅が広いので、「制作作業時に細かな設定を考えていては、時間がかかりすぎるのではないか…。」との意見もあって、運営メンバーで話し合った結果、どこの施設で利用するピクトグラムを作るのかは、あらかじめ設定しておくことにしました。(どのチームがどんな施設のピクトグラムを制作するかは、作業前に「あみだくじ」で決めています。)

■参加者の皆さんのことと作業風景

[1.]ご参加くださった皆さんについて

まずはご参加くださった方々についてですが、このワークショップでは「デザイナー歴半年〜1年くらいの方、学生さん、プログラマーさん」を対象者としています。

当日ご参加くださった方は「10名」で、職業の割合は以下のような構成となりました。

参加者の職業の割合

割合から「デザイン歴の浅い方と他の職種の方」が半分を超えていました。この10名の方々と、運営をお手伝いくださる4名のデザイナーさんが加わり、総勢「14名」でワークショップをスタートしました。

[2.]制作チームは全3チームに編成。

チームについては、スキルや経験の偏りが少なくなるよう、みなさんの職業を基に「3チーム」に分けさせていただきました。

当日のチーム編成

[3.]制作作業風景

作業前の説明もほどほどに済ませた後、参加いただいた皆さんには早々とチームに分かれていただいて作業を開始。どのチームもまずはメンバー同士の挨拶を済ませて、そこから作業へ…。チームリーダー主導でどんどん作業は進んで行きました。

ちなみに今回、僕はメンバーには入らず司会進行に専念させてもらって、皆さんの作業を見させていただいてました。

それぞれのノートにメモ

ノートにメモを取りながら、メンバー間で情報共有。

ホワイトボードで共有

こちらはホワイトボードに、より詳細なユーザー像を書いてそこから考えてましたね。

付箋でアイデア出し

付箋を利用して、イメージの抽出と情報の共有をされてます。

ピクトグラムの清書

考えがまとまってきたチームは、発表用シートにピクトグラムを清書。今回は「手書き」です。

作業工程の発表シート

机の真ん中にあるのは、作業工程や作業のポイントを書き込むシートです。発表の際はこれを基にプレゼンしてもらいます。

■各チームの制作内容の発表

2時間の制作作業が終わり制作物を回収。次はいよいよ「各チームの制作発表」の時間です。

[ Aチーム(角田さんチーム)の制作内容 ]

Aチームの制作内容の詳細

Aチームの制作内容の詳細

Aチームの設定施設は「日本の空港」で、利用者の年齢層については、老若男女が施設の利用を行うことから、「全年齢(6〜80歳)」を対象と設定されていました。

作業はメンバー内での「アイデア出し」からスタート。施設の特性として「世界中から人が訪れる」ことと、「日本の空港」という地域性から「日本を表すもの」と考えて制作されたのが以下のピクトグラム。

Aチームのピクトグラム

Aチームのピクトグラム

モチーフには「忍者(男性)」と「お姫様(女性)」を利用されています。制限時間内のギリギリで書かれたので、形としてはまだまだ荒削りな状態ですが、今回のワークショップではここまで。ピクトグラムの上半分がそれぞれのモチーフ(忍者とお姫様)で、下半分にトイレ(便器)の形を取り入れてます。

また、こちらのチームでは「空港には時間が無く、急いでいる人も居るのでは?」とも考え、その部分を解決するために「距離を表現するアイコン」や「大きさ(サイズ)に変化をつける」ことでトイレまでの距離も案内することも想定していたそうです。

ですが、ピクトグラムに入る「情報量」が多くなり、「視認性」が保てないのでは無いか?と考え、あえなくこの案はボツに…。発表の際には、ボツになったラフ案も見せてもらえたのですが、完成形に落としこむことが出来ずとても惜しかったです。

[ Bチーム(はざくみさんチーム)の制作内容 ]

Bチームの制作内容の詳細

Bチームの制作内容の詳細

Bチームの設定施設は「百貨店」。利用者については「25〜50歳くらいの女性」をメインターゲットとして考え、ピクトグラムの制作をされました。

Aチームとの作業進行の違いとしては、まず「各自のイメージスケッチ」から入ったのちに、ターゲットを決めていくという方法。作業の流れを見ても、このチームは「イメージを形にしていく」のが、どこよりも早かったですね。

Bチームのピクトグラム

Bチームのピクトグラム

その後完成したのがこちらのピクトグラム。Bチームは、「商業施設」という部分を意識して、「場所を案内する」だけでなく、百貨店の「ブランディング」や「高級感・季節感の演出」といった部分も考えて制作していることが一番の特徴です。

その工夫として、単なる人物のシルエットではなく「洋服の要素」をピクトグラムに含ませ、さらに「季節によって服装も分ける」といったことを取り入れています。その為、男性・女性ともに「2パターン」の制作をされていて、他のチームにはない工夫がされていた点が印象に残っています。

[ Cチーム(池田さんチーム)の制作内容 ]

Cチームの制作内容の詳細

Cチームの制作内容の詳細

Cチームの設定施設は「図書館」でした。こちらのチームでは、施設の個性をより明確にするために「森の中にある図書館」と設定して制作をされています。

このチームは、先の2チームと違って、「全体のスケジューリング」をキチンと決めてから作業を進めて行く方法を取っていましたね。(どちらかと言うと「実務的」な印象。)また、制作作業でも「トイレ」や「男女のイメージ」など、のちにピクトグラムを作っていく際に必要な「イメージ出し」に一番時間を取っていたことも印象に残っています。

イメージの共有に「ふせん」を効率よく使っていたのもこちらのチームです。

Cチームのピクトグラム

Cチームのピクトグラム

そう言った工程を経て、作られたのが上のピクトグラム。「子供が形をみて理解できれば、大人が見てもわかる。」と考え、対象年齢を「6〜10歳」の低年齢層を中心に設定して、全体の形をシンプルにまとめて制作されてます。

Cチームもピクトグラムのモチーフには、最後までいろいろアイデアを練られていましたが、やはり「人物のシルエット」をベースにするほうが「トイレをイメージしやすい」という結論に至り、人物(子供のシルエット)を利用して制作。

ピクトグラムの「男女差」については、設定施設の「森の中にある図書館」にちなんで、「葉っぱと花びら」を背景に配置して、「青と赤」の色分けも利用して表現。視認性にも考慮したつくりとされていましたね。

■今回の制作課題の意図と僕の感想

課題であるピクトグラムは、基本的に「絵文字」として利用されるので、文字のように「読んで意味を理解させる」のではなく、「形を見せて伝える」ことがポイントで、その為には見た人に「伝わる形で表現する」ことが大切です。

今回の課題を「トイレのピクトグラム」とした理由は、普段慣れ親しんでいるものを改めて見つめ直しながら、「伝えるために必要なものは何か?」「それを言葉ではなく、カタチで上手く表現出来るか?」を参加した全員で考え、共有したかったことが一番の理由です。(課題に対しての意図はこの場でお伝えするのが最初だったかもですね…。)

この課題に対して、どのチームも「トイレに関するイメージの共有」や、「表現する為のアイデア出し」といった作業からスタートされ、「トイレという場所を伝えること」「それを形で表現すること」に真剣に向き合われてくださいました。

その結果「時間」や「手書きでの制作」といった制限もありましたが、決められたルールを守って、チームで決めた設定(コンセプト)にもとづいて形を作れたことは、素晴らしいことだと感じています。

「チームで制作」という部分については、お手伝いくださった4名の皆さんがチームを引っ張ってくださったので、僕が考えていた以上にスムーズに課題をこなせたと思います。ご協力感謝します。

■今回のまとめ

ワークショップ後の懇親会では、ご参加いただいた方とお話をさせてもらいながら、「楽しく学ぶことが出来た」との声もいただくことが出来たので、個人的にはおおむね成功したのではないかと感じています。細かい部分では至らなかった点もあったかと思いますが、その点は修正をして、次回以降に必ず活かして行こうと考えています。

ご参加くださった皆様本当にありがとうございました。皆さんに少しでも「活かせる技術や知識、考え方」を持って帰っていただけていれば幸いです。

日程についてはまだ未定ですが、次回も同じく「ワークショップ」という形で開催を考えています。その時は改めて宜しくお願いします。

Pocket
LINEで送る

コメントはこちらから

Page top