昨年末に「Webデザイナーはコーディングが出来る方がいいのか?」と言う話題が自分のTwitter上で出てきたことをきっかけに簡単なアンケートを行ったので、その結果と僕がそのアンケートを通じて思ったことを少し書いていきたいと思います。

アンケートを取ったそもそものきっかけ

「Webデザイナーはコーディングが出来る方がいいのか?」という話題は不定期ですがTwitter上の会話で見かけることがあります。その際に必ず触れられるのが「コーディングが出来ない(もしくは苦手な)Webデザイナー」の存在のことです。

僕が発したこのツイートにもあるように、「コーディングが出来ない」Webデザイナーの方を身の回りで見かけることがほとんど無く、話題に上がりつつもこういったケースは最近では稀なことでは無いのかと思っていました。ところが…

Olein (@Olein_jp)さんからのリプライにあるように「それほど珍しくない…」の言葉をきっかけに、どれくらいの方が「コーディング(マークアップ)が出来ない」のか、実際にアンケートを取って調べてみることにしたのが事の始まりでした。

実施したアンケートの結果と感想

先程のツイートの後、上記のようなアンケートを作って早速確認してみることにしました。

アンケートの集計期間は4日間(2017/12/7〜2017/12/10)として、結果「247票の回答」を得ることができました。アンケートに回答いただいた方々、アンケートを拡散してくださった方々ご協力ありがとうございました。

回答の選択肢は「出来る」「出来ない」「その他」の3つだけのシンプルなアンケートでしたが、74%(180名くらい)のWebデザイナーさんは「コーディングが出来る」と回答。対して「出来ない」と回答した方々は16%(40名くらい)と、出来ると回答した方に比べて少数となりました。

「その他」については、単に「出来る・出来ない」の回答では無く、「○○の理由があって出来ない」、「○○の条件であれば出来る」など、固有の条件などの理由が回答(引用RT)で得られればと思って設定していて、

こういった回答もいただけました。ありがとうございます。

アンケートの結果としては、回答してくださった方々の70%以上がコーディングが出来る能力を持っていて、Webデザイナーでも日常的にコーディングを行うことが「当たり前」になっているのだなと改めて認識しました。

また、アンケートの反省点として、以下の2つの点を挙げておきます。

  1. 単純な選択肢だったので回答された方々の「コーディングの習熟度」まで正確に知ることが出来なかった。
  2. コーディングの作業範囲がどこまでなのか、ちゃんと定義できていなかった。
    (HTML+CSSまでか、JSなどの実装も含むのか?など)

1.はTwitterのアンケート機能の限界もあったりで、なかなか詳細なアンケートに出来なかったのは残念です。2.に関しては投稿する時にもう少し詳細に触れておくべきだったと反省してます。

Webデザイナーはコーディングが出来る方がいいのか?について思うこと

アンケート結果は前述の通りなのですが、記事の冒頭で述べた「Webデザイナーはコーディングが出来る方がいいのか?」の問いに対しての答えについてはどう見ていくべきか?と少し考えてしまうのですが、「出来る」と回答くださった方々は、コーティングスキルが「必要な能力」であるから身につけ、業務に活かしているのだと考えると、出来ないよりも「出来る」方が良いと考えるのが自然です。

当然の話と言えばそれまでですが、たとえ分業制を取り入れている制作会社に勤めているとしても、コーディングをやる機会がほぼ無いとしても、Web制作の現場で「出来ない」ということがプラスに作用することは残念ながらありません。

技術や知識は自分の「判断の幅」を拡げるもの

コーディングスキルと言えば、HTML+CSSによるサイト構築を行うための技術ですが、この能力はその前段階の作業である、サイトデザイン(レイアウトや、UIデザインなどのビジュアルデザイン)を考える際にも活かせる知識(技術)とも考えられます。

例えば、コーディングの知識が無い状態でサイトデザインを行った場合と、知識を持った状態でデザインを行う場合では、デザイン制作時に「考えが及ぶ範囲」に差が出てきます。

デザイン制作時に「考えが及ぶ範囲」の差

Photoshopなどのデザインツールを使ってサイトデザインを作る時に最低限求められるのは、ツールを扱う技術に加えて、サイト内のパーツやグラフィックを作る能力です。
確かにこれだけの能力があればサイトデザインを作ることは可能ですが、もしこの時にコーディングに関する知識と技術があれば、より多くの視点で自分の作るデザインを見直すことが可能になりますね。

サイトのビジュアルやUIを最適化するだけではなく、Webサイト(Webページ)としてきちんと「機能する」ものを作り上げるのならば、その後の工程に関する技術、または利用に関する知識を持つことで、より完成度の高いサイト設計が可能になるので「知らない、出来ない」状態では細かな部分まで配慮することが難しいです。

従って「Webデザイナーはコーディングが出来る方がいい」と考えるのは、サイトデザインを作る際の「判断の幅」を拡げ、より良い成果物につなげる為に必要な知識(技術)だからと考えるからです。

かつての僕も「コーディングが出来ないWebデザイナー」だった。

…と、ここまで偉そうに書いていますが、僕はこの業界に入った当初はデザイナーでは無く、ディレクターとして仕事をしていたので、HTMLの知識は持っていましたが、コーディングを請け負う機会はほぼありませんでした。

その後、ディレクターからデザイナーへと業務転向しましたが、それでもまだがっつりとコーディングを行う機会は少く、技術や知識がなかなか身につかず、実際に自分が一からコーディングを行うとなると四苦八苦しながら仕事をこなしていたことを思い出します。

つまり、かつての自分も「コーディングが出来ないWebデザイナー」の一人だった訳です。

そんな自分が苦手を克服する為に行った3つのこと

前述したように、自分が作ったサイトデザインをコーダーの方に引き継ぐ際は何かと不安になる部分も多く、軽度とは言え修正を加えなければならないと言った「無駄な作業」を行うことも少なくありませんでした。

自分としてもそこから「抜け出したい」と考えるのは当たり前の話です。そんな時に自分が取った「苦手を克服する為の行動」は以下の3つでした。

  1. 初心者向けの「コーディングハンズオン」に参加した。
  2. デベロッパーツールを使って、いろいろなサイトのCSS設定を見て知識を増やした。
  3. 電車の吊り広告や、雑誌の紙面を見ては「脳内コーディング」をやった。

当時の僕はコーディングの知識が本当に低く、HTMLを作る際に「文書としての意味付けを考える」といったことなど知ることもなく、CSSによるスタイリングについても、とりあえず「カンプのとおりになっていればいい」と考える程度のレベルでした。(下手をすれば、それを再現することすら危うかった…。)

ハンズオンへの参加は初心者だった自分にとってはなかなか勇気が必要なことではありましたが、一人で頭を抱えながら取り組むよりも、気軽に分からない部分を聞くことが出来たり、他の人のコーディング手法を直接見ることが出来るなど、短時間で得られる知見がとても多いでので、何かしら催される際は参加されることをおすすめします。

CSSに関しては書籍を読んで基礎知識を得ることもしていましたが、変わったレイアウトを取り入れているサイトを見ては、ひたすらデベロッパーツールを使って気になるところをたくさん見て回り、スタイリングの方法などを覚えていったことが大きいです。

「脳内コーディング」に関しては、広告の内容を見て掲載されている「見出し」や「本文」をどういった要素でマークアップして文書構造を作るのか?を自分の頭の中で行う、ちょっとした「暇つぶし」みたいなものでしたが、続けることで、デザインカンプを作りながら、頭の中でHTMLへ置き換える、CSSでのスタイリングをどう設計するかといったことを頭の片隅で行うことで、自然とコーディングに対する苦手意識が減って行きました。(脳内コーディングは今でもやってます。)

僕の場合は、こういった比較的「簡単に取り組めること」をきっかけとして、「出来ない」から少しずつ「出来る」へとシフトして苦手を克服しました。

今回のまとめ

単なる自分の興味から始まったアンケートでしたが、それをきっかけにして「Webデザイナーのスキル」について改めて考えるいい機会になったと思います。

スキルと言った点では、今回「コーディング」スキルに関してあれこれ書いていますが、最近では「Sketch」や「Adobe XD」など新たなデザインツールの登場によって、ある程度の動きや使い勝手を想定した「プロトタイプ」をツールで作ることも可能になってきていますが、最終的にはコーディングを行い「Webサイト」として作り上げる必要はあります。

その他では、マーケティングの知識や、アクセス解析の知識など、「サイト制作→サイト運営」に向けた知識がWebデザイナーに求められることもここ数年の間で増えてきています。さらには、自分が作り上げたデザインを「自分の言葉で説明」するといった、形をつくる以外の「自ら発信する能力」も必要とされる場面もあるくらいです。

人それぞれ、様々な制作環境に身を置いて仕事をしているので、この場で書いた事はあくまでも「理想論」でしか無いかも知れませんが、業務に関わる知識を「知らないままでいい」とすることは、自身の成長を止めることに他ならないので、出来ることからでもいいので少しずつ学んでいけば状況は必ず変わります。

Webデザイナーとして今後「どんなことを身につけておく必要があるのか?」を考えるとはっきり言ってキリがありませんが、僕が一つ言えることとしては、「自分の視野を拡げる知識をどれだけ持つことが出来るか?」がこれからのWebデザイナーには必要になるのではないかと考えます。